ナットウキナーゼ

納豆菌

納豆菌

納豆菌(図1,図2)は、1906年に沢村真農学博士によって発見され、【Bacillus natto Sawamura】と名づけられました。その後、1968年に医薬品製造承認、1990年動物用医薬品承認、1996年飼料添加物許可が取得され、近年健康食品として利用されるようになり注目されています。
納豆菌は、日本古来の糸引き納豆、ネパールのキネマ(Kinema)、タイのトウアナオ(Thuanao)など無塩発酵大豆食品を作り出す菌です。厳密な意味での腸内常在菌ではなく、いわゆる枯草菌の一種で、内生胞子(芽胞)を持つ、自然界で最も安定した菌種です。
納豆菌は腸内で活性化し、種々の生理作用を現して各動物が本来保有している有益菌叢(乳酸菌、ビフィズス菌など)を増強、安定化します。その結果、当然病原菌や腐敗菌などの有害菌は排除されます。また、抗菌作用が強く、BacilipinやSubtilin等の抗菌性物質を産生することも知られています。その他近年納豆菌の抗ガン作用や免疫機能増強作用も報告されています。

納豆菌のはたらき

  • 1乳酸菌など有用菌の増殖
  • 2腸内有害菌の抑制
  • 3上記2項目により、腸内細菌叢のバランスを整える。
  • 4強力なタンパク分解酵素とデンプン分解酵素を産生する。
  • 5ビタミンB群を豊富に合成する。

納豆菌の摂取について

納豆菌(B.subtilis BN)の推奨摂取量は、7.5×108個/日です。
これは、混合培養による乳酸菌の増殖促進、腸内有害菌及び病原菌増殖抑制の効果、ラットにおける反復経口投与毒性試験により安全性を確認し、経済性および使用実績を踏まえて設定されました。

納豆菌による実験報告

動物由来病原菌に対する納豆菌(B.subtilis BN)の発育阻害作用

図3・サルモネラ菌と納豆菌の混合培養

図4・病原性大腸菌と納豆菌の混合培養

納豆菌(B.subtilis BN)の抗菌活性作用

図5・納豆菌の黄色ブドウ球菌(S.aureus)に対する活性作用

図6・納豆菌のカンジタ菌(C.albicans)に対する活性作用

連続流動培養による納豆菌(B.subtilis BN)とカンジダ菌(C.albicans)の混合培養実験

図7・カンジタ菌(C.albicans)と納豆菌の混合培養